梅雨の晴れ間に八百屋さんの店先を通ったとき、あの独特のツンとした爽やかな香りと、深みのある濃い紫色の葉っぱが山積みになっているのを見かけると、なんだかそれだけで季節の移り変わりを感じて心が弾みますよね。インターネットの画面で見つけたこのデザインは、そんな古き良き日本の台所の風景をそのまま切り取ったような、とっても風情のある素敵な作品です。丁寧に編まれた丸い竹ざるの上に、こんもりと贅沢に盛られた大ぶりの赤しその葉が主役になっています。
このアートの面白いところは、何と言っても赤しそ特有のあの「ちりちりとした細かな縮れ」や、葉っぱの表面を走るリアルな葉脈が、すごく均一でクリアなタッチで描き込まれている点です。ざるのすぐ横には、梅干しを漬けたり自家製ジュースを仕込んだりするときに使う、すり鉢や小さな小瓶、そして大きな甕(かめ)の輪郭までうっすらと描かれていて、画面全体から生活感のある温かいストーリーがじんわりと伝わってきます。ただ眺めているだけでも、お部屋の中にあの甘酸っぱい芳醇な香りが漂ってきそうで、白い紙の上にどんな色を重ねていこうかと想像が膨らみます。
この深みのある和の世界に自分のお気に入りの色彩を乗せていくなら、今回は「色の重ね着」を楽しむように、じっくり時間をかけて筆を動かしていくのが最高の楽しみ方になりそうです。例えば、主役である赤しその葉を本物らしく仕上げるためには、いきなり一色の紫でベタ塗りにするのではなく、まずはベースに薄い赤紫色やマゼンタをふんわりと敷いておきます。その上から、深みのある濃いパープルや、影になる部分にあえてダークグリーンを薄く重ねてみてください。この紫と緑の絶妙な混ざり合いが、赤しそ独特のあの渋くて美しい発色をリアルに再現してくれます。
そして、背景の竹ざるや甕などの道具類には、あえて彩度を落としたベージュやアースブラウンを優しく乗せることで、手前の色鮮やかな赤しそがパッと前に飛び出すような美しいコントラストが生まれます。お気に入りの冷たいドリンクを傍らに用意して、静かなお部屋で一色ずつ丁寧に画面を彩っていくプロセスは、頭の中のごちゃごちゃした雑音をきれいに洗い流してくれるような、心地よい集中をもたらしてくれますよ。


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